歯科麻酔が効かない・効きにくい時について
症状から記事を探す
みさなさんこんにちは!歯科衛生士の町田です︎︎
皆さん、「麻酔をしたのに痛みがある」など歯科麻酔が効かなかった経験はありますか?
“自分は麻酔が効きにくい体質なんだ”と思われかちですが、
体質により麻酔が効きにくいということはほとんどなく、
体質により局所麻酔薬の効果が影響を受けることはありません。
効かない場合はこれからお話する原因が関与している場合がほとんどです。
歯科麻酔とは?
歯の神経は硬い歯質に守られているため、そこに直接麻酔をすることはできません。
歯科医院で一般的に行われる麻酔は、「浸潤麻酔」といい、治療する歯の付近の歯ぐきに麻酔薬を注入する方法です。
注入した麻酔薬が顎の骨の中から歯の根の先に浸透していくことで、治療する歯に、麻酔が効きます。
«歯科麻酔が効かない原因»
☆強い痛み(炎症)がある場合
☆下顎の場合
☆緊張している場合
☆疼痛閾値の低下
☆体調不良の場合
☆飲酒の習慣や内服薬を常用している場合
原因①強い炎症や痛みがある場合
炎症状態にある時、歯の周辺組織は酸性に傾きます。
人の血液は健康な時はpH7.4程の弱アルカリ性です。
麻酔薬は健康なときのpHで効果が出るようにつくられているため、
麻酔の性質により強い炎症や痛みがあると麻酔が効きにくくなります。
また、炎症部位は血流が多くなります。
そのため、麻酔薬がその場に留まりにくくなり、
麻酔が効きにくくなっているのではないかとも言われています。
原因②下顎の場合
下顎は上顎と比較すると、骨の密度が高く麻酔薬が歯まで浸透しにくいため、麻酔が効きにくくなります。
原因③緊張している場合
緊張し、体がこわばっていると針が通りにくくなります。
また、痛みを意識しすぎると少しの刺激でも敏感に痛みを感じやすくなります。
恐怖や不安感、疲労などで疼痛閾値は下がると言われています。疼痛閾値とは痛みの感じやすさです。
疼痛閾値が低ければ痛みを感じやすく、閾値が高ければ痛みを感じにくくなります。
疼痛閾値には個人差があり、決まった基準はなく、日々変化します。
麻酔前は、深呼吸したり、できるだけリラックスするようにしましょう。
原因④体調不良の場合
体調不良や睡眠不足などの場合、麻酔が効きにくかったり、
普段感じないような違和感を感じることがあります。
また、麻酔直後に心拍が強くなったり、早くなったり、気分が悪くなることもあります。
原因⑤飲酒の習慣や内服薬がある場合
麻酔薬をはじめとした体に取り込まれた化学物質は、肝臓で分泌される酵素の働きにより分解されます。
普段から飲酒量が多かったり、前日の深酒、抗うつ薬や向精神薬、
鎮痛剤を長期服用していると化学物質を分解する酵素が増え、分解速度が速くなりす。
そのため麻酔薬が速く分解されるため、効きにくくなります。
また常用している内服薬がある場合は、お薬手帳を提出して受診しましょう。
「痛くて腫れているのに薬を出して終わりだった。」
と不満に感じたことがある方もいらっしゃるかも知れません。
しかし強い腫れ痛みの時は、強い炎症状態にあり麻酔が効きにくい状態です。
そのため、“安心・安全に治療が行えるようになる”ためにお薬をお渡ししています。
軽度の症状のうちに受診し治療を受ければ、麻酔が効きにくくなることは回避できます。できるだけ早めに受診したり定期的なチェックをうけたりすることを心がけましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました♪