親知らずのトラブルは早めに対処を
親知らずは18〜22歳ごろに、永久歯として生える最後の歯です。
しかし、親知らずは必ず生えてくるわけではなく、一部が生えてきたり、完全に埋まっていたりとさまざまです。
また、一番奥に生えてくるため虫歯や歯茎の炎症トラブルを招くことが高い歯になります。
そのため、健康な親知らずであっても、抜歯を検討されることも多いです。
Contents目次
こんなお悩みありませんか?
- 親知らずが虫歯になっている
- 親知らず周辺の歯茎が腫れて痛い
- 親知らずが痛み出す前に抜きたい
- 親知らずに食べカスが溜まりやすい
- 親知らずが斜めに生えて
前歯が押されている - 親知らずが完全に
埋まっているのか確かめたい
親知らずについて
親知らずとは
親知らずは一番奥に生える奥歯のことを指し、第三大臼歯、智歯(ちし)とも呼ばれています。
親の監視下から離れる年齢である18歳~22歳頃に生えてくる歯であるため「親知らず」といわれています。
人間の歯は親知らずを抜いて28本、親知らずを含めると合計32本となります。
親知らずは上下左右1本ずつ、計4本存在しますが、生まれつき親知らずが存在しなかったり、完全に生えていなかったりするケースもあるため、親知らずの本数には個人差があります。
歯のなかでも一番奥に生える親知らずは、中心に生える前歯(中切歯)から数えて8番目に生える歯となります。
そのため、歯ブラシの毛先が行き届きにくい部位にあり、食べカスや歯垢(プラーク)が溜まりやすく、虫歯や歯周病リスクも高まります。
万が一、虫歯になってしまうと、親知らずがある奥歯まで器具を挿入しなければならず、治療が困難であるケースも少なくありません。
親知らずを抜いた方がいいケース
親知らずが生え周囲の歯茎が腫れて痛みをともなうことで、結果的に抜歯を検討される方もいるのではないでしょうか。
親知らずはお口の中の一番奥に生えているため歯を磨きづらく、虫歯や歯周病でなくとも抜いておいた方がよいと考える方も少なくありません。
親知らずであっても、健康な歯を抜歯するのは抵抗があるかと思いますが、次のような症状がある場合、親知らずの抜歯が検討されます。
●痛みや腫れがある
親知らずは食べカスが溜まりやすく、親知らずのまわりで細菌が増殖し周囲の歯茎を炎症させ痛みや腫れの症状が現れます。
また、虫歯にもなりやすく、治療しにくいことからも痛みや膿が生じたり、周囲の歯茎が炎症するリスクをともないます。
親知らずが生えていく過程でも、痛みが生じるケースがあります。
歯茎の中から顔を出そうとする親知らずが、手前の歯(第二大臼歯)を押し出す際に痛みが現れるケースも少なくありません。
もともと親知らずは顎の骨の中で横向きの状態で形成されています。
親知らずが生えるスペースを十分に確保できていれば、横向きから90度回転し、上を向いた状態で親知らずは萌出します。
しかし、親知らずが生えるスペースが十分に確保できなければ、手前の歯を押し出す力が強くなり、しばらくの間、痛みが生じる恐れもあります。
親知らずの周辺に断続的な痛みを感じたり、歯茎が腫れている場合は、今後も症状が現れることが多くあるため親知らずの抜歯をおすすめします。
奥歯周辺で生じる原因不明の痛みや腫れは親知らずが原因で生じている恐れもあるため、違和感を感じたらお気軽にご相談ください。
●歯並びに悪影響が出ている
一番奥に生える親知らずは、手前の歯を押し出すように生えることがあります。
親知らずに押し出された歯が、さらに手前の歯を押し出すように動いていくと、ドミノ倒しのように歯並びに影響を及ぼすこともあります。
学生の時は歯並びに目立った乱れが見当たらなかったのに、18歳頃から押し出されるように歯が動き、ガタついた歯並び(叢生)となってしまうことがあります。
これは、親知らずが手前の歯を押し出すような形で斜めに生えることが原因で、歯並びが乱れてしまった可能性があります。
歯並びに影響が出ている場合は、親知らずを抜歯しないと、より歯並びが乱れてしまうこともあるため抜歯が検討されます。
また、矯正治療を行う際に親知らずが治療の妨げとなると判断された場合も、親知らずは抜歯の対象となります。
歯並びに影響がでているのではないかと心配の場合は、一度ご相談ください。
●腫瘍や嚢胞の原因になっている
顎の骨の中で埋まっている親知らずや、横に生えている親知らずなどが原因となり痛みや腫れを生じることもあります。
親知らずの生え方以外にも、次の疾病が認められる場合、親知らずの抜歯が検討されるケースもあります。
・虫歯が進行して歯の根っこの先に生じる歯根嚢胞
・歯の元になる歯胚を包む上皮から発生する嚢胞である含歯性嚢胞
・顎の骨に生じる多くの良性腫瘍であるエナメル上皮腫
・下顎大臼歯が好発部位となる角化嚢胞性歯原性腫瘍
顎の骨の中で生じる嚢胞や腫瘍は複数存在し、ご紹介した疾患の多くは埋伏歯であればどの部位であっても生じる疾患であり、抜歯が検討されます。
親知らずによって起きるトラブル
昔より硬い食べものを食べなくなったことからも、現代人は顎の大きさが小さくなったといわれています。
そのため、親知らずが生えるスペースを確保することが難しくなり、さまざまなトラブルを引き起こしやすくなります。
本来であれば、親知らずは食べものをかみ砕くための歯として重要な役割がありましたが、さまざまなトラブルを招いてしまう可能性が高く、抜歯が望まれるようになりました。
トラブルは次の通りです。
●虫歯
一番奥に生える親知らずは虫歯になるリスクが高く、また生え方によっても異なります。
斜めに生えていたり、一部分のみが萌出するケースの場合、食べカスや歯垢が溜まりやすくなり虫歯菌が増殖していきます。
また、歯ブラシの毛先も行き届きにくいため、十分に清掃できないこともあります。
嘔吐反射が強い方などは歯磨きを行うことが難しくなり、虫歯リスクがさらに高まります。
親知らずが虫歯になると治療が困難になるケースもあり、治療できたとしても親知らずの虫歯は繰り返す可能性が高いです。
そのため、患者さまの負担や親知らずの手前に生える第二大臼歯の健康を優先させて、親知らずが虫歯となった時点で抜歯を検討する場合もあります。
●歯冠周囲炎(智歯周囲炎)
親知らずは一番奥に位置する歯であるため、十分に清掃が行き届かず、周囲の歯茎が炎症することも多くあります。
また、親知らずが位置する周辺には、お口の開け閉めに関わる咀嚼筋、扁桃、咽頭などが存在します。
そのため歯茎の炎症に留まらず、周囲の軟組織にも炎症が広がることもあります。
初めのうちは親知らず周辺の歯茎の炎症に限定されますが、炎症が進行すると顎周りの筋肉組織、咽頭、扁桃へと炎症が広がります。
そのため、口の開け閉めに支障がでる、喉の痛み、扁桃腺の腫れによる発熱などを引き起こし、最悪の場合は心臓にまで炎症が回り死に至るリスクも否定できません。
このような事態を回避するためにも、親知らずの歯冠周囲炎が認められる場合は、炎症が一時的に収まるのを待って抜歯することをおすすめします。
当院の親知らずへのアプローチ方法
検査やヒアリングの上、抜歯が必要となった場合でも、当院では安心できる抜歯を心がけます。
①検査
親知らずの位置や血管、神経の位置をレントゲンで確認します。
②麻酔
麻酔薬を歯茎の表面に塗って歯肉表面の感覚を麻痺させる表面麻酔と、麻酔薬を歯茎に直接注射する浸潤麻酔を行います。
顎半分を麻痺させる麻酔(伝達麻酔)を行うこともあります。
③親知らずを露出させる
もし歯肉内や骨の中に親知らずが潜っている場合、切開や骨切削を行い露出させます。
④親知らずの抜去
親知らずを抜歯します。
埋まってしまっていたり、根が曲がっているなどしている親知らずは割って抜き取る場合もあります。
⑤縫合
傷口を小さくし止血を早めるために糸で傷口を縫うケースもあります。
また、ケースによっては傷の治りを良くする補填材を注入する場合もあります。
⑥圧迫止血
ガーゼをかんで圧迫止血します。
⑦消毒と抜歯窩の確認
消毒のためにご来院していただきます。
その際に細菌感染を起こしてないか確認します。
⑧抜糸・消毒
1週間後に消毒し縫合を行った場合は糸を抜き、通常のメンテナンスに移行します。
親知らず抜歯後の注意点・リスク
①血のかたまりが取れると治りが悪くなるため、強いうがいは避けてください。
②血が止まらない時には、もう一度清潔なガーゼを15~20分強く噛んで圧迫するようにしてください。
③翌日まで唾液に混じって薄い血が出ることがありますが、異常ではありません。
④お風呂の長湯は血液循環が良くなり痛みが出たり、出血が止まりづらくなったりするため当日はシャワー程度にしてください。
⑤抜糸部位には、歯ブラシを当てないようにしてください。
⑥抜糸当日は激しい運動・お酒・強い香辛料のお食事は控えてください。
⑦タバコは一週間止めて下さい。
⑧当日に処方した抗生物質は必ず飲み切ってください。
⑨傷口を舌や手で触ったりしないようにしてください。
⑩麻酔(2~3時間)により熱を感じにくくなっているためやけどに注意してください。
⑪抜糸当日以外は、氷では冷やさないでください。
※濡れたタオルであれば大丈夫です。
治療後のメンテナンスについて
親知らずの抜歯後、2~3日をピークに腫れが生じることもあります。
腫れの程度は、抜歯した親知らずの状態などにも左右されます。
また、横に向いていたり、斜めに生えていたりすると、抜歯が困難であったケースは抜歯後に炎症が強く生じることもあります。
抜歯後、穴にかさぶたができ骨が形成されるまでに3~6ヶ月かかるといわれています。
穴が塞がるまでは汚れが溜まりやすく、清掃が行き届かないとそこから炎症してしまうこともあるため、注意が必要です。
よくある質問
-
親知らずの抜歯後、
どのくらい腫れますか?
-
親知らずの抜歯後、2〜3日をピークに徐々に腫れや痛みが引いていきます。
1~2週間以上腫れが引かない場合は感染症の場合もある為、早めに院へご連絡ください。
-
親知らずはかならず
抜歯しなければいけませんか?
-
かならず抜けなければならないわけではありません。
今の段階で症状がなくとも、親知らずがあることでさまざまなトラブルを招く可能性がありますので、予防として抜歯をすすめる場合もあります。
-
親知らずの抜歯に
リスクやデメリットはありますか?
-
抜歯を行うことで細菌に感染してしまったり、唇や顎まわり、舌、歯茎の神経が刺激され、痺るような感覚がしばらく残ってしまうこともあります。
抜歯の際にはリスクを理解した上で抜歯を受けることが大切です。
-
親知らずは1度に
何本抜歯が可能ですか?
-
親知らずは計4本あります。
1本ずつであったり、片側2本ずつであったり、4本すべての親知らずを抜くことをご希望されたりする患者さまもいます。
患者様の負担を考慮しながら一緒に相談して抜歯計画を考えましょう。
-
親知らずの抜歯後、
どのくらいで穴が埋まりますか?
-
個人差はありますが、抜歯でできた穴は1ヵ月~1ヵ月半ほどかけて徐々に粘膜が修復されます。
3〜6ヶ月かけてゆっくりと修復されていき、穴に新たな骨が再形成されます。
Doctor's messageドクターメッセージ
親知らずは、親の監視下から離れる年齢である18歳~22歳頃に生えてくる歯であるため「親知らず」といわれてます。
最奥に生えてくるため、虫歯や歯茎の炎症トラブルを招くことが多く、健康な親知らずであっても、抜歯を検討されることがあります。
当院では、親知らずだけを診るのではなく、お口全体を診て、長期的に安定した口腔環境が整うよう治療や抜歯を提案させていただきます。
抜歯にお悩みの方は、当院でご相談ください。
横浜エス歯科クリニック院長
栗野 裕司
最適かつ高精度な治療を
みなさまに
エス歯科グループでは、豊富な知識と経験を積んだドクターが
あなたに合った最適かつ高精度な治療を提供いたします。
機能的治療から審美的治療までお口に関するお悩みは何でもご相談ください。
監修者情報
- 院長 粟野 祐司
- 【経歴】
・国立新潟大学歯学部 卒業
・新潟大学歯学部総合病院 研修終了
【学会】
・日本口腔インプラント学会 所属
【資格】
・厚生労働省認定歯科医師臨床研修医指導医
・Branemark Inplant system Certificate 取得
・POI Implant system Certificate 取得
・American microscope root canal treatment course Certificate 取得
・南カリフォルニア大学歯学部(USC)Japan Program 修了
・CAMLOG implant expert Course 修了
・インビザライン 認定医(マウスピース矯正)
・Jリーグ 横浜FC 公認クラブデンティスト
資格 Qualification
ドクターコメント Doctor comment
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